お風呂掃除での汚れは様々な種類があります。また、汚れによって効果のある洗剤や、全く効果が出ない洗剤もあります。
私の経験から言うと、お風呂掃除で一番厄介な汚れは「水アカ」です。鏡にびっしりと残る「ウロコ」や、壁やシャワーノズルなどに白い斑点として残るのも、大半が水垢汚れになります。
しかも水垢の汚れの一番厄介な点は、石鹸カスの汚れと見ただけでは判別が出来ない点です。石鹸カスには金属石鹸カス汚れと、酸性石鹸カス汚れの2種類があります。
金属石鹸カスは水垢と石鹸が合わさった汚れ、酸性石鹸カスは皮脂汚れと石鹸が合わさった汚れになります。詳しくは以下の記事でも解説していますのでよかったら参考にしてみて下さい。
今回は水垢について詳しく解説していきたいと思います。水垢の完全除去方法や、水垢汚れをキレイにする前に行う作業、どの洗剤が水垢汚れに効果的なのか「水垢」に関するすべての解説を詳しく行っていきます。
これまで水垢の汚れに悩んできた方は最後まで読んで参考にしてくださいね。
お風呂の水垢とは?なぜ掃除をしても水垢は残る?
お風呂掃除で一番頑固で除去しにくい汚れは水垢です。普段こまめにお風呂掃除をして、浴室内をキレイにしている方でも必ず水垢の汚れに悩んだことがあるはずです。それもそのはず、お風呂の中から水垢の汚れを完全に無くすことは出来ません。
なぜなら、お風呂掃除の後やお風呂に入った後に浴室内に水滴が必ず残ってしまうからです。浴室内から一切の水垢を残したくないのであれば、お風呂掃除の後やお風呂に入った後にキレイに水滴を拭き取って、完全に乾燥させなければなりません。
その都度その都度、綺麗に拭きって出るなんてことはバカバカしくて出来ないかと思います。
しかし、定期的に水垢除去の掃除をしたり、コーティングを施す事である程度の予防と除去は可能です。
そもそも水垢とはいったいどのような汚れになるのでしょうか。解説していきましょう。
水垢は水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが乾燥したもの
水垢の汚れは、普段浴室内で使用する水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が乾燥して出来るものです。
水垢の汚れは水を使用する場所ではどこにでも発生してしまいます。なので「全てを完璧に除去して、水垢汚れを一緒見たくない!」というのは不可能です。
また、地域によっても水垢汚れがひどくなってしまう地域もああります。地域によって水道の水質が違います。日本の水道は世界的にも綺麗で硬度も低いですが、千葉県と埼玉県は日本の中でも硬度が高く、ミネラル分が多く含まれています。
全国的にも関東地方は硬度が高く、関東地方では他の件と比べても「水垢汚れが出やすい地域」になります。逆に北海道や四国地方は硬度が低い為、他の件と比べても水垢の汚れは出にくくなります。
もしあなたの地域の水道水の硬度が気になる場合は以下の「全国水質MAP」で調べてみて下さい。
水垢の汚れはどうやって落とすのか。まずは汚れの特性を知ろう。
普段お風呂掃除をキレイに行っている人ほど水垢の汚れが気になるかと思います。週に一度は様々な洗剤を使用して綺麗にすればするほど、水垢の汚れだけが何故か残ってしまうのでイライラしている方もいると思います。
しかし安心してください。日常的にお風呂掃除をきちんと行っている場合であれば、水垢の汚れは除去することは出来ます。例えば上の画像の鏡の「ウロコ状態」ですが、このレベルになると除去するのにはかなり苦労します。
まずは水垢の汚れについての特性から知りましょう。解説します。
水垢の汚れは「アルカリ性」なので酸性のものを使用して除去する
水垢の汚れは「アルカリ性」になります。水垢と石鹸カスが融合された「金属石鹸カス」も同じくアルカリ性の汚れです。アルカリ性の汚れはアルカリ性の洗剤や中性洗剤では汚れを落とす事ができません。
ちょっとした汚れであれば中性洗剤でも落とす事は可能ですが、頑固な水垢は「酸性」の洗剤や薬液を使用しなければ除去することは出来ません。
あなたがお風呂に入って出る「垢」は皮脂汚れになるので、酸性の汚れになります。人間の肌は弱酸性なので酸性汚れです。お風呂に沈着して繁殖する黒カビも酸性汚れになります。これらはアルカリ性洗剤やアルカリ性の薬液を使用しなければ除去する事ができません。
まずは汚れの特性を覚えましょう。詳しく解説していきます。
汚れの特性と効果がある洗剤・効果のない洗剤
大事な事なのでもう一度言いますが、アルカリ性の汚れにアルカリ性洗剤の使用、酸性の汚れに酸性洗剤の使用ではいくら必死で掃除をしても効果がありません。
「これ一本でお風呂掃除OK」という洗剤を多く見かけますが、一本でお風呂の掃除を完璧に行うことは出来ません。ある程度の掃除は可能ですが、ピカピカにすることは出来ません。まずはこれを覚えましょう。
以下はpH値(水素イオン値)と汚れに対する効果的な洗剤になります。ご覧ください。
pH値 | 汚れ | 汚れに対する洗剤の種類 |
---|---|---|
0 | 長期の酸性石鹸カス 根付いた黒カビ | アルカリ性洗剤 強アルカリ電解水 |
1 | ||
2 | ||
3 | ||
4 | 皮脂汚れ 黒カビ | 弱アルカリ性洗剤 |
5 | ||
6 | ||
7 | 浴室全体の汚れ (汚れが不明) | 中性洗剤 「これ一本でOK」などの洗剤 |
8 | ||
9 | 金属石鹸カス 水垢・湯垢 | 弱酸性洗剤 クエン酸 オキシクリーン |
10 | ||
11 | ||
12 | 鏡の頑固なウロコ汚れ 根付いた水垢 | 酸性洗剤 濃い目のクエン酸 (浸け置き) |
13 | ||
14 |
pH値0~3の酸性汚れと効果的な洗剤について
pH値0~3は「酸性」になります。
この値の汚れはお風呂場で言うと、皮脂汚れを長期間放置して場合やそれが石鹸と混ざって頑固な「酸性石鹸カス」となった汚れや、根付いて繁殖してしまっている黒カビになります。
こういった汚れにはpH値で言うと10~のアルカリ性洗剤や「アルカリ電解水」が有効的です。強めのアルカリ洗剤は身体にもよくありませんので個人的には「アルカリ電解水」での掃除をおススメしています。このアルカリ電解水に関しましては後述します。
pH値4~6の弱酸性汚れと効果的な洗剤について
pH値4~6は「弱酸性」になります。
人の肌は弱酸性なので、あなたやご家族がお風呂に入った際に出る「垢」は弱酸性の汚れになります。
一般的に売られている「バスマジックリン」などは大抵弱アルカリ性の洗剤です。通常のお風呂掃除に使用する洗剤は、この弱アルカリ性の洗剤で全体を掃除して頂いて問題ありません。
pH値7.8の中性汚れと効果的な洗剤について
pH値7.8は「中性」になります。
中性という汚れはありません。どんな汚れも酸性・弱酸性、アルカリ性・弱アルカリ性に属するのですが、中性洗剤というものは多くあります。一般的に売られているお風呂用洗浄剤も中性のものも多く売られています。
この中性洗剤のメリットは「酸性もアルカリ性の汚れもどっちにも効果があるよ」という点です。ただしどちらにも効果がありますが、どちらの汚れにも中途半端という面がデメリットになります。
中性洗剤のおススメ使用法についても後述します。
pH値9~11の弱アルカリ性汚れと効果的な洗剤について
pH値9~11は「弱アルカリ性」になります。
アルカリ性の汚れは「赤カビ」「水垢」です。赤カビは正式にはカビではありません。赤カビについての詳しい解説や掃除法については以下の記事で紹介しています。よければ参考にしてみて下さい。
普段こまめに掃除をしている中でも水垢は残ってしまいます。根強く残っている水垢でない限り、弱酸性の洗剤やクエン酸などを浸け置きすると水垢は除去できるかと思います。
pH値12~14のアルカリ性汚れと効果的な洗剤について
pH値12~14は「アルカリ性」になります。
アルカリ性の汚れはトイレで言うなら尿石、お風呂で言うなら鏡のウロコなどの定着して結晶化している水垢や金属石鹸カスになります。
ここまで頑固な汚れになってしまうとちょっとやそっとで除去することは出来ません。たとえ強い酸性洗剤や薬剤などを使用しても一発で取り除く事は不可能と思ってください。根気よく何度も繰り返す事が必要になります。
特別な薬剤や知識も必要になりますので、一度プロの業者に頼む事も考えましょう。
お風呂の水垢を取るのはクエン酸が有効って本当?準備するクエン酸は?
お風呂の頑固な水垢を取るのに効果的なものの1つにクエン酸があります。クエン酸は柑橘系などの果物の酸味成分になります。このクエン酸は前述した図にもあるように「pH値2~3」のとても強い酸性です。
何度も説明していますが、水垢はアルカリ性の汚れになるので強い酸性はとても効果的です。
クエン酸で効果的に水垢を除去する方法を解説していきましょう。
クエン酸スプレーではなくクエン酸の粉末を用意しよう
クエン酸スプレーが市販されていますが、水垢除去の為に使用するクエン酸はかなりの量が必要になります。また、水垢の付き方によってクエン酸の濃度を変えるので、なるべく粉末を用意してください。スプレータイプですとすぐに無くなりますので、ご注意ください。
クエン酸は粉末状のそのままのものでpH値が2~3になります。水やお湯に溶かして使用するのでクエン酸は薄まり、頑固な水垢・鏡のうろこ状になっているようなものではかなり濃く作らないと除去する事ができません。
水垢の付き方によって濃度を変えたり、使用法が変わるのでなるべくなら粉末状のものを用意する事から始めて下さい。
水垢除去をする際に必要なもの
頑固な水垢を除去するために用意するものは以下になります。
用意するもの
- 濃度調整したクエン酸水
- キッチンペーパー(かなり使います)
- サランラップ
- 霧吹き
- マイクロファイバーウエス
- 激落ちくんのようなメラミンスポンジ
頑固な水垢は軽く擦ったり、スプレーをして擦ったりする程度では取れません。まずは必要なものを準備してください。除去するには根気と気力が必要です。
クエン酸を使った正しく水垢を取る方法
酸性の汚れ・アルカリ性の汚れについて、効果的な洗剤の種類、クエン酸のpH値については理解して頂けたでしょうか?ここまで理解が出来たなら、あとは根気よく手順通りに行えば水垢を取り除く事ができます。
手始めに霧吹きに入れたぬるま湯100ccに、小さじいっぱいのクエン酸を投入してよく混ぜて水垢部分に吹きかけてみて下さい。その後のスポンジなどで擦ってみましょう。どうでしょうか。水垢が一瞬取れたように見えますよね。
これは取れているのではなく、「水分で濡れて見えなくなっている状態」になります。すぐにマイクロファイバーウエスなどで拭き取ってみて下さい。少しは取れたかもしれませんが、除去するには至っていないかと思います。
簡単に吹きかけて拭き取るだけで頑固な水垢はびくともしません。こういった場合はクエン酸とキッチンペーパー、サランパップを大量に使用して「浸け置き」が必要となります。それでは手順をご説明しましょう。
クエン酸の浸け置きでお風呂の水垢を取る手順
クエン酸の配分が多ければ多いほど、水垢の除去には効果的です。霧吹きのサイズにもよりますが100ccのぬるま湯に対して「小さじ1杯~2杯程度」、効果が無ければさらにクエン酸を加えて下さい。
クエン酸の浸け置きをする前に、浴室内の水気をすべて取り除いてください。浴室乾燥機がある場合は乾燥機を使用しても問題ありません。
除去したい水垢の箇所に先ほど作った、濃度の濃いクエン酸を大量に吹き付けて下さい。ビシャビシャになるまで大量に吹き付けます。そして除去したい部分にキッチンペーパーを張り付け、更にキッチンペーパーの上からビシャビシャになるまでクエン酸液を吹き付けて下さい。
クエン酸パック状態になったら、その上からサランラップを張り付けていきます。うまくサランラップが張り付いてくれない場合は、上からさらにクエン酸液を吹き付ければ張り付いてくれます。
2,3時間の放置をしてじっくり浸け置きしていきます。この時間でクエン酸液が頑固な水垢を柔らかくしてくれます。長時間の放置が必要なのでクエン酸液はもったいぶらずに大量に吹き付けて下さい。
浮かせた水垢を擦る作業です。おススメは激落ちくんなどのメラミンスポンジです。
かなり水垢が落としやすい状態になっているので、丁寧に水垢を擦り落としましょう。
シャワーを使用して丁寧にクエン酸を落としましょう。気になる場合は「弱アルカリ性洗剤」などを使用しても問題ありません。
用意したマイクロファイバーウエスなどを使用して丁寧に拭きあげましょう。最後に浴室内を乾燥させて終了です。初めて行った場合は、恐らく水垢全ての除去が出来ていないかと思います。この場合はまたクエン酸の浸け置きからやり直しです。面倒ですが根気よく繰り返していきましょう。
クエン酸の浸け置きのメリット
頑固な水垢の除去は本当に根気が必要になります。クエン酸を使用する利点は以下の通りです。
- 濃度の濃いクエン酸液は市販の洗剤よりも効果が出る
- 効果が出るだけではなく身体面でも安心安全
- 値段が安い
- 酸っぱい臭いはするが嫌なキツイ臭いはしない
逆にデメリット面は「プロ用除去剤」と比べると効果は落ちるという点、時間と労力がかかるといった点ですが、市販の洗剤では落としきる事も出来なかったり、臭いも残ったりとするのでクエン酸を使用した水垢除去方法が一番良いと思います。
あなたが普段から浴室内をキレイに保っている場合は、ここまで長時間の浸け置きは不必要になります。定期的にクエン酸液を吹き付けて丁寧に水垢をメラミンスポンジで擦り落としましょう。
頑固な水垢がたくさんある場合はプロの業者にお願いしよう
鏡にウロコのような状態で水垢がびっしりと付いてしまっている場合や、何年も水垢の除去をしてこなかった方は一度プロの業者にお願いする事を推奨します。
もちろんコストはかかってしまいますが、このレベルの水垢除去は素人の作業だと何日も取り掛からなければならない場合もあります。
一度プロの業者にお願いして、キレイにしてもらってから定期的に予防や掃除をしていく事をおススメします。業者によって作業内容や値段は様々ですが、2万円もかからない値段でお風呂の水垢除去も完璧に行ってくれます。
以下の記事でおススメの浴室クリーニング業者と、業者の詳細を解説しています。是非参考にしてみて下さい。